水端1568 2021年醸造 500ml [412]

水端1568 2021年醸造 500ml [412]

販売価格: 7,000(税別)

(税込: 7,700)

クール便(冷蔵): 300円(税込:330円) がかかります。

在庫なし

商品詳細


日本酒発祥の地 奈良で享保4年(1719年)より酒造りを営む油長酒造。

私たちが次の100年を見つめ、これから担うべき酒造りは何なのか、常に自問自答を繰り返します。
2021年、ここに油長酒造は新たなブランド「水端(みずはな)」によって現在の日本酒醸造技術の源流を辿ることにいたしました。

水端 1568 2021 年醸造 冬季醸造 三段仕込みのご案内

水端 1568 は興福寺多聞院日記の中の 1568 年の記述を参考にした冬季醸造です。3石の大甕で現代と同じように3段仕込みで醸したお酒です。当時の仕込み配合では、麹歩合 30%を超えており、留水歩合も現代の半分ほどで仕込みを行っていた記述が残っております。冬の寒い時期でも安全に醸造を進めるために原料を3回に分けお酒を仕込み、なおかつ麹歩合を上げることでしっかりと糖化を促し、発酵とのバランスをとっていたことが伺えます。また、多聞院日記には上槽法や火入れ殺菌法などの記述が克明に記載されており、当時でも高い技術でのお酒造りが行われていたことが伺えます。


今回の水端 1568 2021 年醸造は 11 月〜3 月にかけて醸造した原酒をブレンドしています。水端 1355 に比べ外気温が低い時期での醸造により、色味は淡い薄黄色になっております。味わいは、水端 1355 に比べ甘味や酸味は抑えられ、お米由来により苦みや渋みなどの複雑味をより強く感じ取ることができ、後味に余韻が長く残るのが魅力の1つになります。

また、冬の寒い時期での発酵になりますので、酵母が作り出した青いリンゴやメロンのような爽やかな香りと、麹由来の木の香りが重なり合った複雑な香りを楽しむことが出来ます。現代のお酒と水端 1355 の中間に位置する味わいで、様々なお食事のシーンでもお楽しみいただけると考えております。

奈良の興福寺が当時から高い醸造技術で上槽や火入れを行っていたことに思いを馳せながら楽しんでいただければと思います。


【水端 1568 冬季醸造 三段仕込みを醸した感想】

3石の大甕とはいえ、現在のタンクに比べるととても小さな発行容器で、総米 100kg を 3回に分ける仕込み方法は、寒い冬の時期に安全に醸造を行うために理に適った方法であったと感じました。

物量が少なく外気温が低い冷え込みやすい状態でもしっかりと酵母が増殖し、立ち上がりから酵母活性が活発でした。夏季醸造に比べるとモロミからはメロンや青リンゴの様な爽やかな香りが強く、糖化と発酵のバランスが取れ、その結果モロミ期間を長くとることが可能になり、お米の味わいをしっかりとお酒に溶け込ませることが出来ました。甘味や酸味だけでなく、苦みや渋みなどの複雑味が上手く調和し、夏季醸造の水端 1355 とは異なる味わいを、同じ三石の大甕で醸すことができ、室町時代当時も造る時期によって全く異なる日本酒が出来上がり、現代よりも多様な楽しみ方ができたのではないかと想像しながら醸しました。

興福寺多聞院日記で冬に造ったお酒を夏酒造りと称しているように、お米由来のしっかりした味わいがありつつ、爽やかな香りが調和したお酒を、夏の暑い時期にも楽しんでいただけたらと思います。

◎試飲しました(2022.6)
 グラスに注ぐとほのかに黄色味を帯びています。香りは柔らかく穀物感と、そこにハーブのような爽やかなニュアンスや、ほのかに醤油のような香りもあり奥行きを感じます。含むと最初に口当たりの柔らかさに驚きます。転じて舌にクリスタルな結晶のようなミネラルが主体となって、酸のあるエキスが口の中でフワッと浮かんでいるようです。口中で二つの味わいの層があるように感じました。喉ごしも良くしっとりと流れ落ち、余韻に穀物の優しい旨味とミネラル感を残します。飲むほどに、色々な旨味成分がゆっくりと調和してまろやかになっていく感じがしました。






商品仕様

原料米 奈良県産米
コンディション 火入れ
酒造年度(BY) 令和3BY(2021BY)
アルコール分 17.2%
保存方法 冷暗所
発酵、熟成 大甕仕込み

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