水端1355 2023年醸造 500ml [6056]

水端1355 2023年醸造 500ml [6056]

販売価格: 7,000円(税別)

(税込: 7,700円)

在庫なし
数量限定発売


日本酒発祥の地 奈良で享保4年(1719年)より酒造りを営む油長酒造。

私たちが次の100年を見つめ、これから担うべき酒造りは何なのか、常に自問自答を繰り返します。
2021年、ここに油長酒造は新たなブランド「水端(みずはな)」によって現在の日本酒醸造技術の源流を辿ることにいたしました。

「忘れ去られた古の奈良に伝わる技術を、当時の文献を頼りに、現在のセンスによって再現する」

このブランドメッセージをとおして、「水端」ではお客様が日本酒の歴史の奥深さに触れると共に、五臓六腑にしみ渡るような、奥行きのある味わいを楽しめる日本酒を目指します。
私たちは古典技術に触れ、それを再現することで日本酒のさらなる技術や魅力を発掘し、これを後世に伝える役割を担いたい。そして未だ見ぬこれからの日本酒の進化のかたちを模索します。

一三代 蔵主 山本長兵衛


享保蔵
「水端(みずはな)」専用酒蔵 享保蔵は、油長酒造の初代、山本長兵衛秀元が精油業から新たに醸造業の事業を創業した際に、享保年間(1700年代初頭)に建造した酒蔵。
この蔵は100年近くお酒造りに使用されていませんでしたが、2021年、2階部分をリノベーションし、甕仕込み専用の独立した酒蔵に生まれ変わりました。これにより、水端の酒造りはすべての工程を享保蔵のみで完結します。風の森の醸造とは完全に切り離した独立した酒蔵で水端を醸します。

「水端」では、大甕でお酒を仕込みます。

室町時代15〜16世紀、奈良の寺院醸造が現在の日本酒醸造技術の礎を確立していったものと考えられます。興福寺の多聞院日記には、醪を搾り、火入れを行い、白米を用いた酒造りを行っていたことが描かれています。その頃はまだ1回あたりの仕込み量も少なく、木桶でお酒造りを行っておらず、大甕で仕込まれていました。16世紀の末ごろになってお酒を木桶で仕込んでいた記述が多聞院日記に初めて現れます。

それ故、水端では古の技術を再現する為、全てを大甕で仕込むことにいたしました。

【水端1355とは】
御酒之日記に記された、菩提山正暦寺の技法を参考にした夏季醸造 段仕込み無し

時は室町時代1355年。「御酒之日記」という名の醸造書が書かれました。この書物には、日本清酒発祥の地として知られる、奈良菩提山正暦寺で醸された菩提泉の製法が克明に記載されています。水端1355ではこれを参考に醸造。現代日本では完全に忘れ去られた夏季醸造の技術で醸された稀有な日本酒です。真夏に発酵温度が30度を超える高温条件下で進める醸造法は、江戸時代に日本酒造りが冬季醸造に移行すると姿を消してしまった技術です。

今回の水端1355 2022年醸造は5月〜9月にかけて醸造した原酒をブレンドしています。
水端1568と違い外気温が高い時期での醸造により、色味は濃い黄色になっております。
味わいは、水端1568に比べ甘味と酸味を強く感じていただけます。

酒度が-45と聞くと、すごく甘いイメージを持たれる方が多いと思いますが、後から来る酸味により濃厚ですがスッキリした味わいとなっております。香りは、夏の暑い時期での発酵由来の、発酵した果実のような香りと、熟成みりんのような要素が感じることが出来ます。
現代のお酒と全く異なる味わいで、夏季に造られる忘れ去られた味わいを、様々なお食事のシーンでもお楽しみいただけると考えております。私自身、チーズやナッツ、タンドリーチキンのようなスパイシーなお食事と合わせたりしました。

【水端1355 2023年醸造】
今年の夏はとても暑く、2022年夏季醸造の時期と比べ、享保蔵の室温が平均で2〜3度程高い条件での醸造になりました。そのため、醪の品温も高くなり昨年とは異なる発酵の経過を辿りました。醪の品温が高いことで、糖化が旺盛になりやすい傾向があることが昨年の夏季醸造から予測できたので、醪の初期に投入する仕込み水の量を昨年より増加させました。

その結果、糖化が抑えられ酵母の負担を減らすことができ、昨年よりアルコール度数を1%上げることができ、味わいの密度が増してしっかりとした飲みごたえのあるお酒ができました。また、90%精米の秋津穂を用いた麹造りも今年で2年目となり、昨年の経験を活かして麹造りを行いました。麹の状貌(成長具合)を進める際に、室温と湿度を昨年と変更することで、より力強い麹を造りました。

力強い麹と今年の暑い外気温の影響からお米が溶け、お米の個性がしっかりとお酒に溶け込みました。その結果【水端1355 2023醸造】では、みずみずしい甘さを感じることができます。夏季醸造特有の発酵した果実の香りと、切れの良い酸味、また【水端1355 2023年醸造】ならではのみずみずしい甘さとしっかりとした飲みごたえのあるお酒ができ、昨年以上に良いお酒を醸せたと感じております。熟成させることで、【水端1355 2023年醸造】の特徴でもあるみずみずしい甘さが時を重ね、深みを増していく。今からの深化を想像してワクワクするようなお酒が出来上がりました。

3年の熟成を重ねたのちには、さらに深化した水端1355 2023年醸造としてお披露目できればと考えております。


◎試飲しました(2023.11.27)
 グラスに注ぐとやや黄金色、少し濃いめのイエロー。香りは強く松脂やロースト香、ほのかに醤油のニュアンスもあり、そこに熟成感も感じます。含むとやや軽い口当たりでトロミのある甘味が上品に広がります。すこし甘酸っぱさもあり味わいに複雑味を加えています。喉ごしもトロリと流れ落ち優しい酸を残した余韻が続き、綺麗に消えていきます。


現在の日本酒のティスティング用語では表現が難しい豊かな個性があり、試飲していて楽しかったです。 お酒自体の評価も大事ですが、この酒の背景やストリー、ロマンも一緒に堪能すべきだと思います。飲む進むにつれ想像力が膨らむようなお酒です。

水端を説明した動画もご覧頂けると幸いです。

https://vimeo.com/649878930








商品仕様

原料米 奈良県産秋津穂100%使用
精米歩合 90%
酒造年度(BY) 令和5BY(2023BY)
アルコール分 12%
保存方法 冷暗所
発酵、熟成 大甕仕込み(美濃焼)
備考 参考文献:御酒之日記 1355年

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